『 無 仮定的前提の思考 』
『 無 仮定的前提の思考 』
科学は 仮定 や 前提 をおいて出発する、例えば「 自然の斉一性 」 などという前提だ。
だが、人間の生き様に関する哲学的理論は、一切の前提を置かないものである。
岩盤までキリをおろして、ビルを建てようという思考が必要だ。
こ日本会計人には、この点が欠落しているのではないでしょうか。ふらふらしている者が多すぎませんか。
( 会計人の原点 19頁 )
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今月の言葉は、「変えないことが一番悪い」という 奥田碩 トヨタ自動車会長の言葉です。
何故にこのことを、これほど鮮やかに喝破できるのでしょうか。
ヒントは上記の「無仮定的前提の思考」というところにあるのではないか。私には、そのように思えたのです。
何かを変えようとするときに、土台がしっかりとしていないと、変えることは不可能なのではないか。その基盤造りという課題が内在しているということなのです。
では、変えるべきところがどこにあるのかを見極める目を どれだけ養っているでしょうか。 自分では全然できていません。
そこで、私は「会計人の原点」などを通じて人生の先達の生き様を学んでいるのです。
「自然の斉一性」という原理は、「自然法則は もしそれが真理なら、自然のどこへ持っていっても
いつも真理である。」というものだそうです。
その前提なくしては、科学の理論構築はできないようなのです。
しかるに哲学の世界では、そのような仮定も前提もない。
ビルを建築しようと考えたら、地中深くの岩盤のところまで キリをおろして おかなければならない。 これが重要なメッセージです。
各人が各様にビルを建築しようと考えたときには、その建築する場所々々の状況に応じて岩盤を探さねばなりません。
岩盤までたどり着いたら、この基盤・土台は、絶対に動かさない。
そして、変えるべきことを見つけ出す。 見つけ出したら、速やかに変える。
「変えてはいけないところ」 と、「変えなければならないところ」の 見極めをしていきたい と改めて考え直しているところなのです。
岩盤が弱ければ、建築場所を変えなければならない ということも念頭におきながら。
平成15年6月号に寄せて・山田公一

